望み通りにはならない

最近はゴンさんがブームなのです。

コンビニでジャンプ落としそうになるなんて、テニプリがやってた時以来でした。
ハンターハンター終わりそうじゃね?ていうか富樫もう終わらせたがってね?
ということを知人に言われたのです。
曰く、富樫は創作物に対する愛情とかそれに類するものが無いのではないかと。
確かに打ち切りに終わったてんでなんとか含め、全て唐突に終わっているし、実際ゆーはく末期はそんなんだったことは色んな発言から明らかになっています。
そう考えると、逆に思うのです。
魔金太郎は愛されていたのだと。
魔金様のことは今更説明する必要は無いと思うのですが、幽遊白書9巻ぐらいに登場した作中最強と言われる能力を持ちながら、只の一度の闘いで敗北してしまったキャラのことです。
その短さは某エロゲの2ワードとかシュピーネさんに勝るとも劣りません。
リアル魔金様と漫画・アニメ版の魔金太郎というのは、差が有りすぎてリアル魔金様ファンは嘆いている方も多いと思います。
有名なところではにくじゅばんではないでしょうか。
古くはモンゴルマン、最近ではピヨ彦でお馴染みのにくじゅばんを魔金様が着ていた、そんな基本的なこともあまり知られてはいません。
世間では「残像だ」「はい?」「えへ」の人だと思われている魔金様が不便でありません。
何故こうなったしまったかという件に関しては、富樫が間違えたというのが定説でした。
富樫が賽の目に黒桃太郎と書くべきところを誤って、魔金太郎と書いてしまった。
恨むべきは富樫。
飛影も怨爺も恨むべきではない。
そのようにファンは思い、魔金太郎という素晴らしい存在を生み出した、富樫は憎むべき悪魔であると同時に、神でもあり崇め奉らなければならないという二律背反に悩まされていたのでした。
しかし最近のハンターハンターの展開において、新たな説が生まれました。
それはゴンさんです。
ゴン。ショタ受けする、少年キャラが何を間違ったかあんなんに。
確かにゴンさんがゴンであった頃から、その性質はクリーチャーの一種といっても過言ではありませんでしたが、それでももアレはねえだろと口をついてしまいます。
富樫は長いこと続けるとそんな風にキャラがおかしくなるという、己の悪癖を承知していたのではないか。
その為もっとも美しい状態で残しておきたい、そう願ったのではないか。
こう考えれば、疑問も氷解します。
少年であったゴンは一瞬でゴンさんになってしまった。
これが読者から見て、進化であったのか退化であったのかは、この後の展開次第であり何とも言えないのですが、変化であったことは違い有りません。
既に完成されている、魔金太郎を変化させてしまう、それは進化ではなく退化。
そう富樫は思い、魔金太郎を一瞬で退場させるという非常手段をとったのです。
これは富樫が、魔金太郎を高く評価していたということの証左にもなります。
富樫は魔金様を、けしてその辺にいる有象無象とはみなしていない、それどころか深く愛していた。
それだけが事実なのです。